我が家には大きな甘えん坊がいる。Ta-Ta(タータ)
ゴールデンレトリバーの「まろん」である。
初めてまろんが家に来た日は私が高校卒業間近の頃であった。
大学進学で地元を離れる私のかわりに新しく家族として母が迎え入れたのがきっかけとなった。
おっとりな女の子のまろんは抱っこをしてもらうことが大好きで、家族の誰かがソファーに座ると待ってましたとばかりにアゴを膝に乗っけて寝そべってきた。
家に来たての頃は体も小さく、膝の上にちょこんと座って甘えてきていたまろんだが、体が大きくなった今でも全体重を預けながら「撫でてー」とアゴを乗っけてアピールしてくる。
自分のサイズが昔とあまり変わっていないと思っているのか、20キロ以上ある大きな甘えん坊はごはんの時間になると猛ダッシュで駆け寄ってきてそのまま突進をしてくる。
毎度家族は吹っ飛ばされているが、この甘えん坊モードがたまらなくかわいいのだ。
長らく一緒に暮らしていると、ふいに人間の言葉を話したんじゃないかと思うくらい意思疎通が出来ることがある。
ごはんを食べ終わった後に「もっとー」と言った気がして、まだ食べるか聞いてみると嬉しそうにくるくるその場で回って感情を表現してくれる。
今日も遠くからまろんが突進してくるのをわくわくして待つ家族であった。